PDF文書は暗号化することによって不正アクセスからその内容を保護できます。暗号化プロセスでは、PDF文書内のすべてのストリーム(画像など)と文字列に暗号化されますが、その他の項目(PDF文書の構造を記す項目)には適用されません。
標準のセキュリティハンドラーではPDF文書に対してアクセス許可とユーザーパスワード(UserPassword)および所有者パスワード(OwnerPassword)2つのパスワードを設定できます。
以下にパスワードの可能な組み合わせと、その場合のPDF文書を処理するアプリケーションの動作を示します:
ISO標準のPDF/A文書は暗号化が許容されていません。そのため、PDF/A文書は暗号化できません。
継承
定義
public class Encryption : NativeObject
コンストラクタ
名前 | 概要 | |
---|---|---|
![]() | Encryption |
プロパティ
名前 | 概要 | |
---|---|---|
![]() | OwnerPassword | 所有者のパスワード このパスワードは、PDF文書への完全なアクセス(開いて読むだけでなく文書のセキュリティ設定、アクセス権限、パスワードの変更を含めます)を許容します。 パスワードがWindows ANSIエンコード(Windowsコードページ1252)に含まれない文字である場合は出力ドキュメントの規格準拠レベルは自動的にPDF 1.7にアップグレードされます。これは、より古いバージョンのPDFではUnicodeパスワードがサポートされていないためです。 |
![]() | Permissions | PDF文書を開くときに付与されるアクセス権限 PDF文書内で許容される操作はPermission(権限)フラグによって制御されます。権限フラグはPDF文書が暗号化され、Owner(所有者)パスワードが設定されている場合に指定できます。 Permission(権限)はPDF文書をOwner(所有者)パスワード以外のパスワードで開くたびに適用されます。Permission(権限)フラグを最初に設定する場合や後で変更する場合には所有者パスワードが必要です。 暗号化された文書を開く時には「権限の設定」などからPDF文書のアクセス権限を確認できます。表示される権限は一般的なPDFリーダに表示される「文書の制限の概要」と異なる場合がありますのでご注意ください。 |
![]() | UserPassword | ユーザーパスワード このパスワードは文書が不正に開かれたり読み取られたりするのを防ぎます。 ユーザーパスワードで保護されているPDF文書を開く場合は、パスワードが必須です。 PDF文書がユーザーパスワードで保護されていない場合は所有者パスワードが設定されていても、パスワードなしで開くことができます。 パスワードがWindows ANSIエンコード(Windowsコードページ1252)に含まれない文字である場合は出力ドキュメントの規格準拠レベルは自動的にPDF 1.7にアップグレードされます。これは、より古いバージョンのPDFではUnicodeパスワードがサポートされていないためです。 |
メソッド
名前 | 概要 | |
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![]() | SetPermissions | 所有者のパスワードとアクセス権限を設定します。 PDF文書を開く際にパスワードの種類によって指定された権限のみが付与されます。PDF文書の所有者にはすべての権限が付与されます。 |